ロンドンファッション協会も発足

2011-05-17

国からの助成金によってロンドンファッション協会も発足し、組織立ったコレクションスケジュールのもと、彼らにキャットウォーターショーを行う機会が与えられることになりました。喜びを噛み締めながらも戸惑いを隠せなかったのはデザイナー当人達です。下手すりゃコートのパターンも満足に引けない連中なわけですから。さらに追い打ちをかけるように登場したのがチャールズ皇太子と世紀の結婚をしたダイアナ妃の存在でした。もともとスタイリッシュさを売りにしていた感のあるダイアナはブルース・オールドフィールドをはじめ、ロンドンの若手デザイナーの作品を”世界の広告塔”として着用していったのです。そうなると若手デザイナーにとって、もはやミュージシャンなんかにかまっている場合じゃない。レベルはどうあれ労働者階級の彼らにロイヤルデザイナーヘの道が開けたわけですから。その頃ロンドンコレクションのステージに妙にピラピラしたドレス系の作品がしだいに増えていくのを眺めながら「ああ、もうロンドンも終わりだな」と実感したものです。きっと同じように冷静な思いでロンドンファッションの崩壊を眺めていたのが“パンクの女王”ヴィヴイアン・ウェストウッドと、デビューしたての気鋭の注目株ジョン・ガリアーノだったはずです。彼らふたりの90年代における躍進は、この洲落していくロンドンをいち早く見限り、海外に活動の拠点を置いたことから始まるのですから。