現在のユニクロは約700店舗。対するしまむらはその1.4倍、約1000店舗の既存店を全国展開している。標準店はユニクロが約200坪、しまむらが約350坪だから、単純計算すれば、しまむらはユニクロの2倍半もの店舗面積を有していることになる。にもかかわらず、しまむらの知名度はユニクロに比べかなり劣る。全都道府県に出店しているとはいえ、郊外やローカル立地が主体で、また主要ターゲットが地元主婦層であることなどから、とかく地味で目立たない。読者の中にも、「ユニクロはよく知っているが、しまむらは名前を聞いたことがあるくらいで、店はまだ見たことがない」という人が結構多いのではないだろうか。そんな読者にとって、ユニクロとしまむらを比較すると言われても、どうもピンと来ないかも知れない。逆にどちらの店も知っている読者は、「ユニクロとしまむらは、見た目はもちろん商品も客層も全く違う店じゃないか。(だから)比較する意味がない」と言うかも知れない。たしかにこの両社ほど、(同じ衣料品を扱いながら)何から何まで正反対のやり方を貫くケースも珍しい。商品政策から店オペレーション、物流、マーケティング、人材開発に至るまで、その発想と手法体系は面白いほど対極に位置している。だからこそ、比較する意味があるのだ。なぜなら冒頭にも記したように、両社は既存の流通・小売システムの常識をことごとく破壊し、確信をもって独自の道を突き進んだという点で見事に一致するからである。少なくともこれが両社最大の共通点であり、成長の原点だ。さらに、この突出した2強の両極をしっかり比較分析して、その可能性と限界を探ることにより、結果として次代に求められるわが国流通の姿を浮かび上がらせてみたい。