日本は一九九一年ごろから厳しい景気後退に見舞われ、特に内需が落ち込んでいます。私は某一流商社が系列会社を集めた集会に九三年春に招かれて廃棄物の話をしましたが、その講演に先立って、その商社の専務が秋ごろか年末には景気が上向くと思うといわれたので、講演の中で「私は経済には素人だが、物の供給や廃棄の状況からみて専務の予測どおりにならず、当分回復しないだろう」と反論しました。先日その専務に会いましたら、私の予測のほうが正しかったと褒められてしまいました。どうも経済予測などは過去の好不況のサイクルや海外の動向などからカーブを同じように延ばしてみるような手法をとって推定するようであり、生産側や需要側の本質的な要因に根差した解析をするわけではないようです。過去に起きた大正不況、昭和不況などの事例を参考にしてこれまでは予測してきました。しかし当時は国内でも貧富の差が激しく、消費財の絶対量も少なく、鉄鋼、化学などの素材産業や基幹産業が先導役を果たすような素地があったのです。